『蒼穹のカルマ 1』(橘公司)

蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)

タイトルで負け。
……いや、ゾンビが佳作でこっちが準入選なのですが、売り場的にゾンビが二列取られてて、かつ減りも大きかったので……
タイトルで損してるよなあ、絶対。
しかもこれ、選考時点での元タイトルが『全ては授業参観のために』。
読んだ人はお分かりでしょう、なんか真面目タイトルっぽい『蒼穹のカルマ』は大嘘です。
編集部からの解説にあるように、いわゆるスレイヤーズ的なお約束の外し方、シリアスは遙か星の彼方のギャグ主体ものです。
……だったら元タイトルでよかったじゃん、と思うんですが。
これはギャップで売ろうとしたんだろうなあ、帯も「あなたのような人間がいるから戦争は無くならない」だし。
でもこれ、絶対『全ては授業参観のために』の方がよかったと思います。
なにせ一緒にゾンビが刊行されてしまったので、インパクトの時点で埋もれている印象が強いです。
ファンタジアでギャグをやるとこうだよ、という由緒正しいタイプの作品。
出鼻が不遇としかいいようのない展開ですが、その辺ひいき目に見ても続いて欲しいなあ……