『カラミティナイト -オルタナティヴ-』(高瀬彼方)

ハルキ文庫の表紙は妙に覚えてるんだけどなー、という復刊もの。
やたらと長谷敏司が勧めていたから、なんて理由もあったり無かったり。
で、ああなるほど、仮面ライダーね、と。
こっからだ、というところで終わってしまったので、さくさく出るはずの既刊復刊分に期待。
それ以降は高瀬時空的にしばらく出な……いやいや、そんな。
ともあれ、既刊分をまったく読んでいないので、ここに男前な(褒め言葉)優子がどう絡んでいくのかが楽しみ。
というか役所としては彼女が文字通りに「騎士」だよね? きっと。
などと思いつつ、既刊のあらすじを見てあらまあ。
そもそもホリィなんていないじゃないか……
読んでいないので何とも言えない気分になりつつ、忍君に合掌。

『黒姫のユズハ』(田口一)

黒姫のユズハ (MF文庫J)

黒姫のユズハ (MF文庫J)

一冊にしたのがもったいなかったかなあ、という感じ。
キャラクタ陣は魅力的なのに、話にケリをつけるためにすっ飛ばされて踏み込みがもう一歩足りない。
三冊ぐらいのスパンでやったら、盛り上がるところももっと盛り上がったんじゃないかしらん、とか。
惜しい。
でも続きが出てもおかしくはない感じなので、もしあるならじっくり盛り上げて欲しい次第。
あとルミサがなんか妙にツボ。
若干変則系の無口キャラ、とかそんなカテゴライズになると思うんですが、不思議と魅力的。
イラストの少しすっとぼけた表情がよかったんでしょうか。

『かぐや魔王式! 第二式』(月見草平)

かぐや魔王式!〈第2式〉 (MF文庫J)

かぐや魔王式!〈第2式〉 (MF文庫J)

エンジンかかってきた感じ。
六道のダメな子っぷりが無駄に光ります。
むしろ魔王より目立ってる気がしないでもない、一番美味しいところ。
これは作者も使いやすいんだろうなあ、きっと。
そして予定通り壊れていく米倉さん。
これで描いてるのが某白粉みたいな内容だったらどうすればいいのか。
いや、でもそこまでは……
さて、レギュラーは固まったと思うんですが、ここから引っ張っていけるかが勝負です。
コメディの方に重きを置いて、勢いで持ってって欲しいと個人的には思いますが、はてさて。

『聖剣の刀鍛冶 4 Hero』(三浦勇雄)

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)〈4〉 (MF文庫J)

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)〈4〉 (MF文庫J)

今回はもう、とにかくよかった。
ようやくルークに見せ場が、とか、そんなので流してあとは胸の内に仕舞い込んでおこうかとおもったけれど、とてもじゃないけど出来ないくらいに。
「ヒーロー」という言葉に、「英雄」というクソ喰らえな文字をあてず、あえてあの字をあてたことも、ただ見上げるだけの対象としなかったことも。
これまでそうだったように、誰も彼もを、完璧からはほど遠い――剣技において圧倒的に優れるルークもまた、「聖剣の刀鍛冶」にはなお遠い――されど折られても打ち直されてさらに強くなる「刀」として描いていることも。
この物語そのものを鍛錬ととらえるなら、折り返しは既に十分。
また一つ、物語は聖剣へと近づいていく。

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『ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円』(アサウラ)

ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (スーパーダッシュ文庫)


一冊ごとに脅威の進化を遂げる、期待のシリーズ。
一巻はインパクトで押し切った(いや、いい話なんですけどそれよりもいきなりコレだったので)、二巻は伏線を張って物語を集約してみた(と同時にネタは格段に強化)、そして、三巻。
物語は更なる高みへ。
いや、今回は今までで一番いい話だった。
そっちに力をさいた分、ギャグが若干おとなしめ(面白いんだけど、破天荒というよりは優等生。こんな優等生イヤだけど)だった気はしないでもないですが、湯川専務の今(大事なことだから二回やりました)とか、相変わらずの表紙折り返し・主要じゃない登場人物紹介をやってくれたりしているので問題なし。
相変わらず無駄にうまそうな食い物の描写も健在。むしろそれがキモ(だってチキンラーメンとかどん兵衛がうまそうに見えるのだもの)。
ううん、しかしこの調子で登場人物が増え続けると、折り返しのネタは厳しくなるか……いや、一巻でまず何に吹いたかって、そこだったんですよ。
重箱の隅みたいだけど、最初にそれにしてやられたのが、ある意味このシリーズとの出会いの一つ。
余談。
その昔スーパーでバイトなどしておりまして。
精肉部の品出しだったんですが、精肉部門も総菜系(からあげetc)を出したりしています。
……で、弁当じゃないんですけどね。
20%・30%・50%のシールを五時になったら貼ってたとか貼ってなかったとか。
残念ながら狼は見たことがないのですが(いねぇよ
出て一礼、戻る際に一礼は基本です。

『蒼穹のカルマ 1』(橘公司)

蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)

タイトルで負け。
……いや、ゾンビが佳作でこっちが準入選なのですが、売り場的にゾンビが二列取られてて、かつ減りも大きかったので……
タイトルで損してるよなあ、絶対。
しかもこれ、選考時点での元タイトルが『全ては授業参観のために』。
読んだ人はお分かりでしょう、なんか真面目タイトルっぽい『蒼穹のカルマ』は大嘘です。
編集部からの解説にあるように、いわゆるスレイヤーズ的なお約束の外し方、シリアスは遙か星の彼方のギャグ主体ものです。
……だったら元タイトルでよかったじゃん、と思うんですが。
これはギャップで売ろうとしたんだろうなあ、帯も「あなたのような人間がいるから戦争は無くならない」だし。
でもこれ、絶対『全ては授業参観のために』の方がよかったと思います。
なにせ一緒にゾンビが刊行されてしまったので、インパクトの時点で埋もれている印象が強いです。
ファンタジアでギャグをやるとこうだよ、という由緒正しいタイプの作品。
出鼻が不遇としかいいようのない展開ですが、その辺ひいき目に見ても続いて欲しいなあ……

『これはゾンビですか? 1 はい、魔装少女です』(木村心一)

タイトルで勝ち。
と書いたら怒られる異能バt……じゃなくてラブコメ
何か言おうかと思ったけど、じゃあ何を言えばいいか困る作品。
面白い……のかどうかがよく分からないタイプ。
個人的にすげえと思ったのは、作品とは離れたところで、ナニでソレなシーンは結構多いのに、ほぼイラストがそこから外れていたところ。
プロローグのあれくらい?
そして今後続くとして、この手のタイプの定番として、新キャラはゲストヒロインとして準レギュラーになる展開が多いですが、これ以上ヒロイン増やして大丈夫なのか(出番とか口絵的に)。
いや、まあ、一番はやっぱり「サブタイトルはどうしていくのか」なんですが。